2010年7月11日日曜日

好きな本を電子化してiPadで読みたい(4) 電子書籍の本棚をモバイルする

大量の電子書籍=電子本棚をモバイルする

電子化を開始してもう50冊近くになりますが、ipad での読書にもずいぶん慣れてきました。ipadに全部入れておけば隙間時間に好きな本を少しずつ読み進める事ができるわけですが、仮に1日10ページしか読まなくても、1年で365ページの本を10札読破出来ることになります。まさに継続は力なりというやつです。

ちょっとした出張の合間に、時間ができて読書をしたくなることはよくあります。そんなとき、読みたい本が手元にあればすぐ読書できます。そんな事は紙の本でも出来ると言われそうですが、やってみると電子書籍との差は歴然としています。

iPadに大量の書籍を入れてからは、少なくとも僕は読書の量が増えました。さらに、出張の時だけでなく、実は家での読書量が増えたのにも驚きました。

理由は幾つか考えられると思います。

  • 本棚を持ち運べる状態になれば、予測できない隙間時間にも、好きな本を「本棚からチョイスして」読むことができるようになります。隙間時間を予測できなかった場合、事前に本を持ち出すことはできません。
  • どんなに重たい本でも、iPad以下の重量で読むことができます。まぁ、今のところiPadより重たい本はあまりありませんが...(笑。普通なら持ち出さないような本も一緒に持ち出せるというのは、今までになかった体験で新鮮です。
  • 本棚が常に身近にあるのは、家の中に居てもインパクトがあると思います。
  • ベットにもぐって電気を消しても読めますw。これは逆にKindleでは不可能ですね。もちろん紙でも不可能です。

こうしてみると電子書籍のインパクトは、想像以上のものがありそうです。

本棚には技術系書籍も

単に読み物としての本だけでなく、本棚には技術系書籍も入っています。iPadで表示して使いやすいかどうか、試してみました。

技術系の書籍は1ページ当たりの情報量が多く、またページ数も多くなる傾向があります。例えばMS Office系の書籍には六法全書も上回りそうなぐらい、デカイものもあります。

こうした参考書や辞書的な性格の書籍は、実は電子化に非常になじみます。例えば最近では、辞書といえば電子辞書を指すことが一般的になりつつあるように思います。これは辞書を電子化することのメリットが大きいため、他の書籍に先駆けて電子化されてきたという歴史があるからでしょう。

ただし、iPadで電子化(スキャン)した技術系書籍が本当に使いやすいかどうかは見栄え(可読性)と検索性を評価してみる必要があります。評価といっても、定量評価がなかなか難しいため、ここでは定性的な(というか主観的な)評価にとどめます。

解像度、面積がもっと必要か

Ruby on Rails入門(西和則著)を例に、可読性を見てみます。この本はA4サイズの技術系本としては標準的な情報量なのではないかと思います。

以下、同一ページを横と縦表示してみます。


横表示と縦表示。この本だと横表示はつらい。

こうしてみると、横表示は全体的に読みづらく、さらにいうと、囲み内の文字は小さすぎて読めません。囲み内の文字は縦表示でもかなり厳しく、ちゃんと読むには拡大する必要があります。それ以外の文字は、縦表示であれば普通に読めますね。

A4サイズの標準的な情報量の書籍でこれですから、もっと密度の高い書籍では縦表示でもやや辛くなってくると予想されます。電子化する前に、その本の文字密度を確認しておく必要がありそうです。

最初から電子化された書籍であれば、フォントサイズを動的に変更したりすることも可能でしょう。そうすれば、ユーザが適切なフォントサイズと情報密度を選択できることになり、大きなメリットとなります。こうした電子書籍が待ち遠しいところです。

OCR検索はあまり期待できない

次にOCRによるテキストの検索について調べてみました。同じ本を対象に、英単語の"Active"を検索してみました。Activeとう単語lは上記のページにもいくつも現れています。またその後のページにもたくさん出てきます。

実際に検索したところ、最初に45ページのActiveにヒットしました。

Active初ヒット

一応英単語もOCRされているようですが、かなりヒット率は悪いようです。日本語の単語はもう少しましなようですが、それでも完全なテキスト化からは程遠いようです。

したがって、検索機能は補完的なものと割り切った方がよさそうです。これについては最初から電子化されたものには勝てないでしょう。やはり、最初から電子化された書籍が待ち遠しいところです。

Googleデスクトップ検索との組み合わせは不可

結論からいえばGoogleデスクトップ検索(GDS)は使えませんでした。GDSを使えば、キーワードを含む本を簡単に見つけることができると思うので、残念な結果です。

試しに「インスタンス」というキーワードで検索してみます。PDF上では見つかりますが、GDS上では見つからないといわれてしまいます。

PDF上の検索はできる

Googleデスクトップ検索では見つかりませんでした


より快適なノマドへ

実はノートPCとiPadを組み合わせてモバイルすることで、特にプログラマ等はより快適にノマド化できるのではないかと考えられます。

私もプログラマのはしくれですが、書籍を参考にしながらコーディングするのが日常です。最近ではRubyを使用することが多くなりましたが、Rubyでは多様なプログラミングが可能なため、ネットも含めより多くの資料を参考にしながらコーディングする必要があるように感じています。

それで今までは仕方なく、本棚の近くでプログラミングしてたわけですが、電子本棚を持ち出せればそのような状況も一変するのではないかと思います。どこにいても豊富なリファレンスにアクセスできるため、不自由なくプログラミングできるようになります。

ノートPC一つあればどこでも仕事ができるという人は今までもいましたが、ノートに加えてiPad+電子本棚があれば、ノートは作業ウィンドウとWebぐらいに限定し、iPadで本を見ながら仕事が可能です。デスクトップの2画面とまではいかないまでも、どこでも1.5画面ぐらいを使えるようになればモバイルとはいえ作業効率はかなり高まるのではないかと思います。

ノートPC 2台でも同じような事が可能ですが、ノートはキーボードが付いているため参照のためだけに置くのは邪魔になります。ノート2台をモバイルするのは重たくてイヤですし、なにより縦向きに置くことができませんw

逆にiPadで仕事ができる人なら、iPad x 2というのは面白いと思います。iPadなら2台でも1.4kg程度で、ノート+ACアダプタを持ち運ぶのとそう変わりません。iPadがテザリングしてくれれば完璧ですよね。



まったく、オフィスなんていらないですねw

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